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奇妙な小説めいたもの

いつだったか夢を見た、といって海明寺が話してくれたお話です。
きれいにまとまっていたのでアップしてみます。


ロシュウォール

カナダの片田舎に「ロシュウォール」と呼ばれる慣習がある。
それは、互いに遠く離れた寒村の代表が一年に一度集まる寄り合いである。
ある年のロシュウォールにて、ある提案がなされた。
老人の代表が、若者にその村での古い話を聞かせる代わりに、
若者の代表も、老人たちに自分たちの話を聞かせるというものだ。
そして、そこにひとつの興味深いルールが設けられた。
「話の内容が真であるかどうかは担保されない。」
まったくの作り話でもかまわない。
また、それを聞いた人間は事実かどうか判断する材料は与えられない。
こうして、各村々で
・本当のような嘘の話
・嘘のような本当の話
・本当だが間違っている話
・たまたま事実と一致している嘘の話
などが入り混じって伝聞されていき、ロシュウォールの場で、他の村に拡散していくという現象が起こるようになった。
数年後には、これらの村々の中で認識されている情報は、嘘であるか本当であるかを判断する意味がなくなっていった。
これを、「情報の平坦化」と呼ぶ。
なるほど、と思ってからしばらくして気づいた。
この話はどこまで事実なのだろうか。
本当に、カナダの片田舎でこのような現象が起こっているのだろうか?
ロシュウォールなどという慣習自体、存在しないのではないか?

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小杉あや

Author:小杉あや
80年代半ばに(エロ)マンガ業界の片隅に入り、タニシのように生息。

思い出したようにまんがのことを語ったり、お花をいけたり(正業は花屋)しています。

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